プーク人形劇場 こどもの公演

  • はなのすきなうし〜フェルジナンド
  • 〜川尻泰司・人形ボードヴィル作品集〜 オルゴール劇場

http://www.puk.jp/repertory/hanaoru/hanaoru.html

プークを見るのは2回目。今回は、前半が6つの短編で、後半が「はなのすきなうし」。

前半の最初に、大きな手巻き?のオルゴールが出てきて、花の模様が描かれていて、あったかい音がして、とてもすてきでした。
短編はどれも子どもには少し難しい内容だったかなあ。「ピーターとモーリー」では人形の仕掛けにびっくりして、「パパと踊ろよ」ではつられて笑って、「黒の劇場」は照明に感心して、まわりの大人のほうが楽しんでた気がします。それぞれの前にタイトルボードを出すんだけど、子ども達がいちいちそれを声に出して読むのが、すごくかわいかった。
「はなのすきなうし」は、トリさんとハチさんが良い味だしてた!笑いどころがちりばめられつつ、ほっこりしました。そして大道具の使い方がすごい!ふたつのアーチ?みたいなのが、花壇とかお花畑とか木とか、あと忘れちゃったけど、とにかくいろんなものになって、あっという間に場面が変わって、見てるこっちまで移動してるみたいでした。

前回「こやぎと狼」を見たときも思ったんだけど、プークの劇って、子どものころに見たらトラウマになりそう、と思うくらい、人形は人形なのに表情豊かで、迫力があって、ユーモアがあって、色彩が鮮やか。これを見て育ったら、絶対良い感性を持って成長すると思う。うらやましい。


あと、絵本は読んだことないけど、この話知ってるなあと思ってたんですが、たぶんディズニーのアニメだ。こっちもすてき。


でも、プークの終わり方がすごくよかったなあ。みんな笑って終わるのがいい。

BILLY BAT(1) (モーニング KC)

BILLY BAT(1) (モーニング KC)

PLUTOの8巻が待ちきれず(単行本通常版派のため)、新作を購入。あーーもう、浦沢直樹すごい。続きが知りたくて、でもなんとなく恐くて、だけど気になって読んでしまう。絶対すっきりしない終わり方するんだろうなって思うんだけど、その最後が読みたくてうずうずうずうず。
しかし白洲次郎がかっこよすぎです。

ミツバチのささやき [DVD]

ミツバチのささやき [DVD]

学校のメディアラボにて。

友人に薦められていた、ビクトルエリセ。ひとつひとつのシーンが、写真を見ているようだった。映画を見に、子どもと大人がスクリーンの前に椅子を持って集まってくるところが好き。

ラッシュライフ (新潮文庫)

ラッシュライフ (新潮文庫)


つい先日、本屋で雑誌を読んでいて、なぜかというと、友人、というほど近しい関係でもないかもしれないけれど、知り合い、というと遠すぎる気がする、まあ、そんな人が、その雑誌のレビュー欄に寄稿していると聞いたので、その記事を読んでいて、ふと、その下の記事を見たら、これまた知り合い、というにはおこがましい気がするけれど、まったくの他人、というわけでもない、まあ、そんな人が、その下の記事を書いていて、おおお、と、なんだか、うれしいような、むずむずする気持ちになった、ということがありました。

ところで、関東地方が梅雨入りしてもう1週間経つのだけれど、、大学4年生のわたしはいまだに就職活動をしていて、それこそ最初は大手企業を受けていたのだけれど、そんな高望みをしている余裕もなくなり、まあ、ここなら受かるでしょう、大丈夫大丈夫、と友人にもそう言われて、自分でもそう思って受けていた会社から、先日、「貴意に沿えぬ結果」「お祈りいたします」と、もう何回見たかわからない決まり文句を受信し、ああもう、わたしって本当に、社会から必要とされてないのね、と、そんな感じで、今日は部屋から一歩も出ていません。

「人生がリレーだったらいいと思わないかい?」
「リレー?」
「私の好きだった絵にそういうものがあってね。『つなぐ』という題名だった。それを観て思ったんだ。一生のうち一日だけが自分の担当で、その日は自分が主役になる。そうして翌日には、別の人間が主役を務める。そうだったら愉快だな、と」
「そうだとしたら、おまえの出番はいつだよ」


わたしの出番はいつだろう、と考える。
そういえば、小学校でも、中学校でも、もちろん高校でも、運動会で、リレーという競技に参加したことはなかった。運動が苦手ということは自覚していたし、チームの期待を背負って、100mだの200mだのを走りきれる自信はなかった。というよりは、そんな心配をしなくても、わたしを選手に選ぼうなんて人は、誰もいなかった。もとから期待なんてされていなかった。わたしの分のバトンも、自分の出番も、最初からなかった。ただずっと、白い楕円の外で、校庭の隅で、膝を抱えて座っていた。
卑屈なんかではなくて、そういうものなのだ。雑誌のページの、いちばん上が知っている人の記事で、真ん中も知っている人の記事でも、いちばん下はわたしの記事じゃない。次のページをめくっても、次の次のページをめくっても、わたしはいない。そのほかは、ぜんぶ知らない人で、そこに何かのつながりは、あるかもしれないけど、ないかもしれない。現実は小説ではないから、そう上手くはつながらない。
わたしがたまたま拾った鍵で、ロッカーをあけたら、拳銃が入っていた、なんていうこともない。もしあったとしても、そんな恨みなんて持ってないから、きっと、空に向かって一発ばーん、とやって、あとは自分の頭に向かって一発ばーん、とやるだけだと思う。それでもわたしはバラバラになったりしないし、ましてやそれがくっついたりもしない。部屋でボブディランを聴いていても、隣で殺人は起こらない。こんな平和な街で、泥棒になんて入られることはない。裏切る夫も浮気をする彼氏もいない。
しいていうならば、わたしは、郵便局員だ。あの真っ先に、一目散に逃げたほうではなくて、トイレだか倉庫だかに縛られて置かれている、名前も出てこない、本当にいるのかもわからない、郵便局員の、何人かの中の、ひとり。もしくは、エッシャーのあの騙し絵の、階段のところでひとり膝を抱えて座っている、兵士だか、僧侶だかわからないけど、その、彼。
でも、来ない順番を、最初からない、回ってこないバトンを、待っているくらいなら、ひとり取り残されて、寂しそうに拗ねているよりは、おとなしく、郵便局員になろうと思います。なんとなく、片足を突っ込むくらいに巻き込まれて、「いやー、まいっちゃったよ」なんて言って、過ごすのがいい。それがいい。

ジャズアートせんがわ

cobra観たかったのですが、チケット買えなかったので、公園で「CLUB JAZZ 屏風」だけ見学。

http://www.sengawa-gekijo.jp/kouen/02574.html#program1

ここ最近先輩に付いてライブ見たりしていた人たちがたくさん。駅前の、本当に普通の公園で、子どもが遊具で遊んでいたりするところで、ステージ(というか仕切り?)にも子どもが入り込んで、またまたすてき空間でした。みなさん本当に楽しそうなのがよい。
しかしcobra見れなくて残念。あと金曜日の吉増さん+大友さん+巻上さんも見たかったなあ。

屏風見たあと、公園でビール飲んで、TINY CAFEでチャイ。店長(絵を描いてる人みたい)がヨラテンゴのTシャツを着てる、すてきなお店だった。イラストちゃんと見せれるようになったら、展示させてもらいたいです。
京王線沿いに住みはじめて1年8か月、仙川で降りたのは初めてだったのですが、すてきな街でした。今度仙川二郎食べに行こー。

バッグベアードマガジン特別号 東京の演奏

その昔、というほどでもないけど、もう6年以上前、『文藝ミュージシャンの勃興』というCDが発売されて、当時わたしは吹奏楽部を引退して高校受験の前の、モラトリアム真っ只中だったと思うのですが、地元のビレバンで流れていて、でもポイントのためにCD屋で買ったのだけど、これがまたすごい名盤で、今でもたまに引っ張り出してきて聴いてるんだけど、岩見十夢二階堂和美から始まり、ニーネの「俺も4トンに乗るぜ」とか、マーガレットズロースの「三度の飯より」とか、今ではライブでもほとんどやらないんだろうけど名曲だと思うし、双葉双一とか田所せいじとか、こんなことやってる人たちがいるのか!!と、ものすごい衝撃を受けて、15やそこらの子どもには本当にもったいないアルバムなんですが、この、『東京の演奏』のコンピレーション、それに匹敵する衝撃です。
しかもすごいのが、『文藝〜』はカフェオレーベルの原さんと田辺マモル氏の企画なのに対して、『東京の演奏』は、ご自身ではバンドなどをやっていない(たぶん)、いち音楽ファンの方が企画されているということ。なんでこんなの作れるんですか。愛ですか。
きっと「好きなだけだよ」っておっしゃると思うんですが(ちゃんとお話ししたことがないので憶測ですすみません)、でも、好きなだけじゃできないと思うんですよね。だって、自分の近くにあって、本当にいいと思ってて本当に好きなものって、好きな人には好きになってほしいし分かってほしいけど、好きじゃない人やよく知らない人には、安易に認められてしまったらちょっと悔しいというか、あんたに何がわかるのさ!とか思っちゃいませんか?わたしの心が卑しいだけ?
なんか、そういうのをなしに、このバンドをもっとたくさんの人に聞いてほしい、売れてほしい、っていう純粋な気持ちで、こんなに良くてすてきなものを、これだけ集めて発信できるというのは、本当にすごいなあ。すてきだなあ。
だから、15才のわたしが『文藝〜』を聴いて東京の音楽と音楽家たちに心を奪われ思いを馳せたように、今の少年少女がこの『東京の演奏』を手にして、こう、何か感じてくれたらいいなあと思うのです。100枚限定ということですが、もっと売りまくっていいと思います。今の背伸びしてるサブカル中高生はどこにCD買いに行くんだろう?ハイラインもなくなっちゃったし…下北だったらモナレコですか?高円寺だったら円盤?どうやったら彼らに届くでしょうか。うーむ。
とにかく、こんなすてきな音楽がたくさんあって、こんなすてきな音楽を作る人たちがおおぜいいて、東京ってすごいな〜、そんな東京にいれて本当にしあわせだなあ〜と思えるコンピレーションでございます。そして、23区外、東京の西の端で、今宵も思いを馳せるのでございます。


東京の演奏 http://ensou2.blogspot.com/


文芸ミュージシャンの勃興~詩人たちの歌 vol.1~

文芸ミュージシャンの勃興~詩人たちの歌 vol.1~